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2020/01/09 ブログ

平成30年3月30日環境省通知「行政処分の指針について」その7

平成30年3月30日環境省通知「行政処分の指針について」その7

引き続き平成30年3月30日通知【環循規発第18033028号】を見てまいります。

 

今回は第8 改善命令からです。
これは、処理基準や保管基準に適合しない処理が行われた場合に、必要な措置をとるよう命ずることが出来ると定められていることを根拠に行われます。ただ、この通達では、これまでも触れてた通り、不適正な処理を把握した場合には速やかに改善命令を行うよう求めています。

 

受託した廃棄物処理業者だけでなく、排出事業者が自ら処理を行った場合についても命令の対象となります。いずれにしても、基準に適合していない物を適合するように改善しなさいという命令です。ですので、排出事業者が自ら処理を行う場合には基準の対象となるので改善命令の対象となりますが、自ら処理をしていない場合については改善命令の対象となりません。

 

「基準に適合していない物を適合するように改善しなさい」というのがポイントです。同じ命令でも「措置命令」というものがあるのですが、これは「生活環境保全上の支障が生じ、又はその恐れがある」場合に命令するものです。詳しくはこの通達の第9 措置命令で触れますが、措置命令は、「改善しなさい」という優しい(?)ものではなく、「生活環境保全上の支障を除去しろ」という厳しい(?)ものです。
もちろん、改善しなさいという命令ではありますが、履行期限までに履行されないなど改善命令違反の状態になれば、刑事告発など厳正な対処が行われます。行政機関に対し積極的に動くことを求めており、改善命令についても「催告等もせずに漫然と放置するようなことは決して許されるものでないこと」と記載されています。これまでの行政機関がよほど怠慢だったのでしょうか。なお、基準に合わない物を合うようにしなさいという命令で、不利益処分を行うわけではないので、聴聞や弁明の機会の付与などは実施されません。

 

命令は「命令書の送達」によって処分者に命令があったことを伝えるのですが、代表取締役などが逃げ回って「命令書なんて知らねえ!!」などと言い逃れすることの無いよう、通達では色々と細かく書かれています。「直接命令書を交付して送達」出来ない場合には「補充送達の受領資格者」に「補充送達」すればいいよという風になっているのですが、「補充送達の受領資格者」は「命令書を非処分者(代表者ですね)に交付することが期待できる程度のわきまえを有する者」と定義されています。なので、使用人その他の従業者、同居者などのほか、事務員などもそれに含まれます。しかも受け取りを拒否した時は、送達すべき場所の玄関内や郵便箱に置いたのでもOKと通達では言っています。まあ、改善命令についてはおとなしく言うことを聞いておかないと、より厳しい処分が待っているだけです。逃げ回らずにきちんと命令書を受け取るようにしてください。

 

次に第9 措置命令の部分を見ていきます。先に少し触れましたが、措置命令は「生活環境の保全上の支障」「又はそのおそれ」があるときに命ずるものです。ですので、「改善命令」とことなり、処理基準等が適用されるかどうかは関係ありません。通達の中で処分者を①から⑦まで上げているのですが、不適正処理を直接行った従業員だけでなく、指示した役員なども措置命令の対象となっています。たとえば「取締役会で不適正処理に係る決議に賛成又は異議をとどめない取締役」も対象となります。このあたりは会社法での定めと共通していると思います。取締役は不適正処理が行われようとしていた時は、明確に「反対」してくださいね。ブローカーや資金提供を行っていたものなども含まれ、不適正処理に関与した者が広く含まれています。責任が大きいものに命令するとかこだわらず、とにかく関与した奴に命令しろと言っていますのでご注意ください。

 

改善命令でもそうなのですが、条文上は「命ずることが出来る」という表現になっていますが、通達では行政が命令を出さない(出せない)ことについても厳しく指導しています。「措置命令の発出が必要であるにも関わらず、合理的な根拠がなく権限の行使を怠っている場合には、違法とされる余地がある」という記述がそれで、おそらく規制権限の不行使など行政の不作為を指摘しているのだと思いますが、とにかくビビらずに措置命令かけろという意気込み(?)を感じます。

 

さらには「有価物だから関係ねえ」というケースについても触れられています。「有価物と称して」不適正処理をしているものに対しては、「事前に当該有価物と称する物は廃棄物である」ことを指導し、その指導の記録を作成しておくこととあります。

少し面白いのは、措置命令受けた人が命令を履行するために廃棄物処理をするときに、許可を持っていないとしても、それは無許可営業には当たらないよと書いてあります。たしかに、命令に従ったら無許可営業の罪までついてきたとなると、だれも命令なんか聞かなくなってしまいますよね。あくまで「措置命令を履行するため」ですけれど。

今回はここまで。

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