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2020/06/17 ブログ

平成30年3月30日環境省通知「行政処分の指針について」その8

平成30年3月30日通知【環循規発第18033028号】を見てまいります。

 

今回は第10 排出事業者等に対する措置命令からです。

「趣旨」の段落を見ると、なかなか面白いことが書いてあります。


産業廃棄物の排出事業者は、本来は「自ら適正に処理」しなくてはならないという「排出事業者の処理責任」を負っています。ただし自らできないときは許可を持つ業者に頼むことができます。この処理責任は、許可業者に委託をしたからといって免除してもらえるものではなく、最終処分に至るまできちんと責任を負わなくてはなりません。


この責任は無過失責任とまでは言われていませんが、「委託基準や管理票に係る義務等に何ら違反しない場合であっても、一定の要件の下に排出事業者を措置命令の対象とする」となっていますので、結構厳しいものであることがわかります。さらに後段のところで、「産業廃棄物の許可制度は、実際に許可を受けた者が適正に処理を行うことまで保証するものではなく」「信頼に値する処理業者であるか否かについては最終的には排出事業者自身の責任において見極める必要がある」と書かれています。つまり、不法投棄があった場合に、「そんな業者を選んだあなたが悪い」と言われかねません。ここまでくると、無過失責任といってもいいのではないかと思います。そもそも、そんな業者許可すんなよっと言いたくなりますね。

 

次に「要件」の段落を見てみます。措置命令を出すことが出来るのは、「処分者等のみによっては、支障の除去等の措置を講ずることが困難」である場面です。「処分業者に言ってもどうにもならないとき」と言えばよいでしょうか。排出事業者に対する措置命令であるため、まずは処分者等が処理をしていくという考え方となっています。


不法投棄のような現場では、多数の排出事業者や処理業者がかかわってきますが、当該現場の全ての廃棄物に係る「処分者等」について支障の除去等の可能性を判断しなければならないのかというと、そうではありません。客観的に明らかであれば、排出事業者に対し措置命令を発出できる、と言っています。この通達全般に言えることですが、行政庁の職員に対し積極的な関与を求めています。法律上の文言、例えば「…のみ」というような言葉に縛られすぎることなく、客観的な事実をもとに積極的に取り締まりなさい、環境を守ることが仕事だよ、ということなのでしょう。

 

また、排出事業者は「産業廃棄物の処理に関し適正な単価」を負担することが責務ですが、この責務が果たされていない場合も措置命令の対象となります。「適正な単価」とは、「その地域における当該産業廃棄物の一般的な処理料金」であり、その半値以下で処理を委託していると違法ということになります。この場合も措置命令の対象となります。

 

ただ、その地域の一般的な処理料金の範囲は都道府県が頑張って調べなさいと言っています。都道府県の調査に素直に答える人は少ない気もしますし、企業努力で安くした業者さんもいると思いますので、適正かどうかという区分は難しいでしょう。。

 

この章の最後のほうに書いてあるのですが、「優良産廃処理業者」が「公表されることとされている」情報、つまり「処理状況」や「処理施設の維持管理の状況など」これらの情報を十分に比較、吟味したうえで優良産廃業者に委託した場合には、「注意義務の履行に関する一つの要素として考慮できる」となっています。委託先の実地確認の簡素化に加え、このことも排出事業者にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

 

令和も2年になりました。いつまでも平成の通達を読み続けるのなんですが、次回でこの通達については一区切りつけたいと思います。

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