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2020/07/01 ブログ

平成30年3月30日環境省通知「行政処分の指針について」その9

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平成30年3月30日通知【環循規発第18033028号】を見てまいります。

 

今回は第11 事業の廃止等についての措置命令の規定の準用からです。
まず、1趣旨の段落で「平成29年改正法」とあり、事業を廃止した者や許可を取り消された者にたいしても処理基準に従って産業廃棄物の保管をすることなど必要な措置を取るよう命ずることができることとなった、とあります。これは「ビーフカツ」横流し事件が発生した当時、措置命令は許可業者に対してしか発令できなかったのです(処理基準が適用できなかった)。そのため愛知県が許可を取り消すことができず、強制力のない行政指導等に頼らざるをなかったということがあり、その問題を解決するための改正でした。


ビーフカツ事件の際、愛知県は残置物の一部を愛知県内の許可業者に無償で協力してもらう形で処理しました。改善命令をかけ履行させるために許可の取り消しを遅らせたこと、許可業者に協力を仰いだこと等当時の愛知県の対応は、のちの環境省通達等をみると適切な対応ではなかったということなのでしょう。


この通知でも幾度となく触れていますが、強制力を伴う命令を積極的に実施するよう求め、命令違反行為には厳正に対処することとこの項においても明記されています。

なお、この「平成29年改正法」において「処理困難通知」が法律上明記されました。これにより、排出事業者は当該通知を受け取った場合に生活環境保全上の支障の除去等の措置を講じなくてはならないこととなりました。すなわち、処分業者の事業所内の未処理物(残置物)を排出事業者の責任において撤去させるということです。


皆さんが締結されている契約書においては、使用するひな型等によって異なりますが次のような形で明文化されていると思います。


「乙は、甲から委託された産業廃棄物の適正処理が困難となる事由が生じたときには、業務を一時停止し、ただちに甲に当該事由の内容及び、甲における影響が最小限となる措置を講ずる旨を書面により通知する。甲はその間は、新たな処理の委託は行わないこととする。


2.甲は乙から前項の通知を受けたときは、速やかに現状を把握した上、適切な措置を講ずるものとする。」

 

次に第12 生活環境の保全上の支障の除去等の措置です。これは行政代執行について書かれています。措置命令を受けた処分業者が履行しない場合や措置命令を伝えることが出来ない(とんずらした)場合や措置命令をかける時間がない場合などに、特例として簡易迅速な手続きで代執行を可能にしてあるので積極的に活用せよという内容です。


代執行で全て片付けなければならないという物ではありません。「支障の除去等の措置の全部又は一部を講ずることが出来る」と規定されていますので、廃棄物の種類や数量、危険性、その他の状況などを「都道府県知事の判断により決定される」こととなっています。


なお、この段落で「公費の投入を避けようとするがあまりに原因者等に対する措置命令の発出それ自体を躊躇するという運用は、決して行うべきでない」と書かれています。ここまで具体的に事例を挙げていることから、このような運用を行った知事がいたのかも、とつい思ってしまいますね。

次に第13 公表です。「排出事業者が適正な処理業者に処理委託できるよう、行政処分を発出した場合には、その内容を積極的に公表」と書かれています。インターネットで、自治体名と産業廃棄物、行政処分といったキーワードを組み合わせて検索をすると、自治体が公表していることがわかります。一部で有名(?)な三重県では、一覧で行政処分の内容を見ることが出来ますので、自治体の積極性がよくわかります。この段落で「改善命令及び措置命令については、命令内容の履行がなされた場合にはその旨も公表することが望ましい」とありますが、この情報についても三重県ではきちんと発表されているようです。


なお、個人で許可を取っている場合や代表取締役など個人情報にかかわる部分については個人情報保護条例に抵触しないようになっています。

 

最後、第14 刑事告発です。この段落でも、やはり「積極的に告発」と書かれています。もちろん、告発にあたっては生活環境への影響や苦情、違反行為の回数、過去の指導状況など具体的な資料をもとに捜査機関と十分に協議するよう求めています。


ここで面白いのが、刑事手続きが進行しているからといって「都道府県としてこれを傍観するのではなく」「違反行為者等による原状回復が促進されるよう努めること」と書かれているところです。先ほども書きましたが、このように記述があるということは、警察による捜査が進行中であることを理由にして、傍観ともとれる対応をした都道府県があったのでしょう。

 

やはり刑事告発ですので、この通知でも「その他留意事項」で色々と気を付けなければならないポイントを述べています。


例えば、「写真やビデオテープに撮影」「現場周辺に駐車されている車の車両番号の記録」など、証拠をきっちり保全しなさいと言っています。また、「有価物と称する不法投棄」「保管と称する不法投棄」について行政が積極的に判断してきっちり指導せよとも書かれています。さらには「廃棄物を」「身体、道具又は機械等を用いて、廃棄物を投げる、置く、埋める又は落とすなどの行為に着手した時点で」「不法投棄未遂罪」になると書いてあります。これは2003年の廃棄物処理法改正で新設された犯罪で、実際に不法投棄が起きてからでは原状回復に莫大な費用がかかることから、不法投棄や焼却を「行おうとした時点」で逮捕が出来るようにしたものです。なお、環廃産発第041027004号及び環廃産発第041027003号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知に色々と書かれていますので是非ご覧ください。「不法投棄又は不法焼却の罪を犯す目的で廃棄物の収集又は運搬をする行為を罰する旨の規定を新設」など、改めて内容を理解しておきたいですね。
 
以上、通達を一通り触れてきましたが、いかがだったでしょうか。環境省は非常に強く、都道府県に対し速やかかつ厳正な対処を求めているなという印象です。ただ、一般廃棄物の処理も行っているような事業者が相手であった場合、自治体としては、域内の一般廃棄物の処理を確保しながらの行政対応となりますので、やはり慎重にならざるを得ないだろうなと思います。難しいところですね。

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