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2021/05/01 ブログ

法令の限定列挙と例示列挙

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産業廃棄物は皆さんご存知の通り、法令により20種類定められています。メジャーな廃棄物種類もあれば、滅多に見かけない廃棄物種類もありますが、20種類と決められています。この20種類に該当しないものは一般廃棄物となることが定められています。
このような法の適用範囲の明示の仕方を「限定列挙」といいます。


「廃棄物処理施設」、こちらも施設に該当するかどうかが法令により限定列挙されています。たとえば、汚泥の脱水施設は「処理能力10m3/日を超えるもの」と定められていますので、処理能力が10m3/日以下の脱水施設は「廃棄物処理施設」に該当しません。

 

廃プラスチック類の破砕の許可をお持ちの事業者様はかなりの数いらっしゃいますが、廃プラスチック類の破砕の場合は「処理能力5t/日を超える」場合に「廃棄物処理施設」に該当します。ですので、5.0t/日の処理能力であれば「廃棄物処理施設」に該当しないのですが、5.000000000001tでも5tを超えてしまう(ドンピシャ5.0はあり得ない)からなのか、小規模な施設では4.9t/日の処理能力となっていることが多いように思います。

 

限定列挙された条件に合致すると、その施設は「廃棄物処理施設」とされ、施設設置許可が必要となります。この施設を「処理を行う設備」という広義の「処理施設」という言葉と区別をするために、「15条施設」という風に表現されるかと思います。


「15条施設」に該当するかしないかで法の規制が変わり、それが設備投資や運営条件など事業活動のコストに大きな影響を与えます。例えば、水質汚濁防止法において測定義務等が課される「特定施設」は、水質汚濁防止法施行令別表第1において列挙されているのですが、産業廃棄物処理施設の場合は当該表の「71の4」において「産業廃棄物処理施設(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条第1項に規定するものをいう。)のうち、次に掲げるもの」と書かれています。つまり、先ほどの「15条施設」に該当するか否かが適用される要件となっています。


廃棄物の処理を行う施設を作るのであれば、「15条施設」に該当するかどうかの条件を十分に確認し、かつ「15条施設」に該当した場合の必要な手続き・法規制を十分に確認して、コストやリスクを踏まえたうえで設備整備をお勧めください。

 

さて、他法令、労働安全衛生法における規定でも限定列挙は見受けられます。


「第五百八十八条 令第二十一条第三号の厚生労働省令で定める著しい騒音を発する屋内作業場は、次のとおりとする。」


これは、労働安全衛生法第六十五条からの労働安全衛生法施行令第二十一条第三号で作業環境測定が義務付けられている作業場のうち、「著しい騒音を発する屋内作業場」として定めているものです。これ以外は著しい騒音を発する屋内作業場ではないということになるのですが、労働安全衛生法第28条の2で幅広くリスクアセスメント等をするよう努力義務を定めていることに注意しましょう。


この労働安全衛生法第28条の2では、「厚生労働省令で定めるところにより、建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等を調査」とあります。「ガス」「蒸気」など記載がありますが、「等」「その他業務」とあることからもわかる通り、「要は仕事場の行動全て」です。このような列挙は限定列挙ではなく、法の適用範囲の例を示した「例示列挙」です。

 

さて、皆様の会社にも就業規則が定められていると思います。たとえば従業員を解雇する場合の就業規則の定めについて、これは「限定列挙」になるのか「例示列挙」になるのか。


不真面目な従業員を解雇したいのだが就業規則に定めがない。就業規則を「限定列挙」であるとすれば、就業規則に定めのないことであれば「解雇できない」ということになり、就業規則に規定されている解雇事由は例示的であるとする「例示列挙」の考え方に立てば「解雇できる」ことになります。


裁判所や判例によって判断が異なるようですが、やはり労働者の保護の観点からか「限定列挙」の立場を取ることが多いようです。「限定列挙」と判断される可能性が高いということを踏まえながら、就業規則を決めていただきたいと思います。
ちなみに、懲戒解雇は「限定列挙」です。なんでもかんでも懲戒解雇できるわけではありません。当然ですね。

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